女性化乳房の種類と保険適応
女性化乳房には、乳腺の発達が原因の真性女性化乳房と、肥満が原因の偽性女性化乳房の2つがありますが、全てのケースで保険が適応されるわけではありません。
保険適応されるケースとされないケースをご紹介します。
▷真性女性化乳房について詳しくは
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▷偽性女性化乳房について詳しくは
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保険適応されないケース
偽性女性化乳房
肥満が原因の偽性女性化乳房の場合は、脂肪吸引治療のみになるため適応されません。
乳腺が5cm以下の真性女性化乳房
乳腺が発達している真性女性化乳房の場合でも、乳腺が5cm以下だと胸の膨らみを治療する保険が適応されません。
保険適応されるケース
真性女性化乳房で、乳腺が5cm以上発達している場合のみ保険適応で治療することができます。
女性化乳房を保険で治療する際の注意点
保険で治療が受けられるのは、真性女性化乳房で、かつ乳腺の大きさが一定以上の場合にのみ限られており、保険の適応範囲は意外に狭いということがお分かりいただけたかと思います。
しかし実際に女性化乳房にお悩みの方で、保険の適応範囲に当てはまる症例はそう多くはありません。
脂肪の蓄積が認められない方であっても乳腺の大きさが5cm未満だという方、乳腺が発達している方で同時に脂肪の蓄積も認められる方など様々な症状の方がいるためです。
保険の範囲で望むような結果が得られるかどうかを、事前にしっかり確認し施術を受けることが重要です。
真性女性化乳房の保険治療。その限界とは?
「女性化乳房の手術後にできた胸の凹みが気になります」
総合病院の形成外科で女性化乳房の手術を受けた方のお悩みです。
症状は、胸の膨らみは解消されたが、乳輪を中心に直径5cmほど凹みと左胸に段差ができてしまったいうもの。
原因として考えられることは何でしょうか?
原因1 術後の腫れ
女性化乳房の治療を行うほとんどの男性が、見た目の改善を目的としています。
それなのに胸の凹みや段差が新たにできてしまうと気になりますよね。
術後どれくらいかにもよりますが、乳腺切除に伴う周囲の腫れが治まれば、この症状の改善もある程度は考えられます。ただ、2ヶ月以上たっても変わらない場合は、原因は他にあると言えるでしょう。
脂肪吸引後の腫れなどの症状について詳しくは
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原因2 手術方法
腫れが引いても症状が改善されない場合、手術方法が原因で胸が凹んでしまったと考えられます。
実は、総合病院などの形成外科が行う保険診療の治療と、私たち美容外科が行う自由診療の治療とでは、目的も内容も異なるのです。
保険診療は乳腺除去にだけ適用
すべての女性化乳房を保険適用で治療できるわけではありません。乳腺の発達している真性女性化乳房の中でも、乳腺が5cm以上発達している場合にだけ保険は適用されます。つまり、保険の範囲内では乳腺を取り除くことだけが治療の目的なのです。
たとえ脂肪が残ったとしても、乳腺だけでも摘出すれば少しはマシになるのでは? と思われるかもしれませんが、実際はその逆。
もしそのような対処をしたら、乳腺周囲の脂肪はそのままに、乳腺のあった部分だけがぽっかり空洞になるので、凹んだり段差ができたりしてしまいます。
自由診療は見た目にこだわった治療
一方、自由診療で女性化乳房の治療を提供する美容外科クリニックの多くは、男性らしい胸にすることを目的としています。
真性女性化乳房の場合でも、必要があれば脂肪吸引を併用し、胸の左右差まで整えます。
胸が凹んでしまった場合の修正方法は?
女性化乳房の治療で胸が凹んでしまった場合の修正方法には2つあります。
ひとつは凹みの周りを脂肪吸引して胸のデザインを整えるというもの。
もうひとつは、脂肪を注入して凹みや段差を埋めるという方法です。
いずれも自由診療となりますが、どちらかで改善するケースもあるし、両方行うことがベストな場合もあります。
診察や乳腺用エコーでの検査結果を見て、ベストな方法を選択しましょう。
選択に迷ったら、セカンドオピニオンを聞こう
女性化乳房の治療目的は、機能的な不具合の改善というより整容がメイン。
治療のために見た目が不自然になってしまっては、本末転倒です。
もし選択に迷ったら、保険診療、自由診療問わず、まずは複数の医療機関に意見を求めてください。
保険診療は一般病院の形成外科に、自由診療の場合は、女性化乳房の治療を扱っている美容外科が対象です。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえ、後悔のない選択をしていただければと思います。
- 知恵まとめ
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- 偽性女性化乳房は保険適応外
- 真性女女性化乳房でも、保険適応は乳腺が5cm以上に発達している場合のみ
- 迷ったら保険診療、自由診療、双方の医療機関でカウンセリングを