今回の女性化乳房症例の背景
- 術前のマーキング
症例は、胸の大きさが気になって来院された20代後半の男性です。ダイエットを行っても乳房だけは大きさが変わらず、お困りの様子でした。
女性化乳房の診断、その結果は?
エコー(超音波)検査で乳腺の発達が認められなかったため、脂肪の蓄積による女性化乳房(偽性女性化乳房)と診断。ベイザーリポによる脂肪吸引の適応症例ですが、事前のエコー検査で脂肪の線維化も確認できていたので、POWER Xの併用を選択しました。
偽性女性化乳房治療にPOWER Xを選んだ理由
- POWER X
ベイザーリポは特殊な超音波で脂肪を線維質(血管や、索状物)から遊離し、脂肪のみを吸引しやすくする点が特徴です。ただ、女性化乳房の場合は、脂肪を繊維質が取り囲んでいるため、脂肪だけでは十分な吸引が得られません。この場合は線維組織も吸引した方がより望ましく仕上がります。POWER Xはそのために必要だと考えました。
POWER Xとはベイザー専用の電動ハンドピースです。ハンドピースとは、カニューレ(脂肪を吸引する細長い管)の持ち手部分。電動なので、作動時にはカニューレが回転します。回転しながら脂肪を吸引するので、よりきめ細かな吸引が可能になるのです。
POWER X、偽性女性化乳房への効果は?
- 吸引直後(右胸のみ)
- 術後1週間
比較のため、片胸だけ吸引が完了した状態の画像をお示しします。向かって左胸が吸引後であることは一目瞭然ですよね。POWER Xを併用することで、取り残しなくここまでしっかり吸引できました。
術後1週間もすると、傷跡はだいぶ落ち着いてきます。もちろん胸も男らしくフラットな状態になりました。多少内出血の跡は残っていますが、これもあと1週間ほどすればきれいに消えるはずです。
- 知恵まとめ
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- 偽性女性化乳房の治療機器ベイザーには、専用の電動ハンドピース「POWER X」がある
- POWER Xによって、線維化した脂肪まで隈なく吸引することが可能
- 適材適所に機材を使い分けることで、より美しい仕上がりに