1、エコー検査で傷跡を目立たせない手術をプランニング
膨らみを解消するために手術するとは言え、大きな傷跡が残っては見た目の悩み解消にはなりません。
そこで来院されたゲストには、まずエコー検査を受けていただき、乳腺の大きさや脂肪の量、乳腺の周辺組織の状態を診て、切除する際にどこからアプローチするかをゲストの希望も伺いながら決めていきます。
傷跡を目立たせないためには、エコー検査の段階でしっかりと手術のプランニングを行うことが重要なのです。
2、乳腺の大きさにより最適の切除位置を選択
どこを切開するかは、エコー検査で確認した乳腺の大きさにより決まります。
乳腺が3㎝以下の場合
乳頭直下のしわの一部を5~7㎜切開し、そこから乳腺を除去します。
乳腺が3㎝以上の場合
乳輪下を乳輪のラインに沿って数㎜切開、三日月型の傷をつくり除去します。
また、真性女性化乳房と偽性女性化乳房の混合タイプで、なおかつ乳腺が小さい場合は、ベイザー脂肪吸引の際に作った脇下の吸引口から乳腺を取り出すことも。
傷を気にする方には、傷跡を最小限に止められるこの方法がとても喜ばれます。
最小限の切開、位置の工夫で傷跡は残らず
混合タイプの場合、最初にベイザー脂肪吸引を行ってから乳腺を除去します。
これは、乳腺を取り巻く硬い線維質の脂肪を吸引した後の方が乳腺を除去しやすく、小さな傷からアプローチできるメリットがあるからです。このように最小限の切開、切開位置を工夫することで、ゲストにとって低負担で傷跡が残りにくい施術を行っています。
脂肪吸引の傷跡は本当に目立たない?
そこで気になるのが、「乳腺切除の傷は目立たなくても、脂肪吸引の傷跡が目立つのでは?」ということではないでしょうか。
ベイザー脂肪吸引の傷は7mm程度。傷となるカニューレ(吸引管)の挿入口を設けるのは脇の下のシワに沿った位置です。
さらに、カニューレの操作で傷口が広がったり跡が残ったりしないよう、スキンポートと呼ばれる器具を使用します。これは手術の際、傷口に装着するプロテクターで、カニューレ操作の摩擦などから傷の広がりを防ぎます。
このような配慮から、ベイザー脂肪吸引による傷跡が日常生活で傷跡が目立つようなことはまずありません。
ベイザー脂肪吸引を併用したことで、8mmという小さい傷に抑えられた症例
では乳腺切除前に脂肪吸引を行うことで、実際にどの程度、傷を目立たなくすることができるのでしょうか。
以前行った女性化乳房の手術を例にご説明しましょう。
こちらの方は、術前のエコー検査で両胸に2.1cmの乳腺が確認され、さらに線維化した脂肪がしっかりついていました。
そこで乳腺除去前に、ベイザー脂肪吸引で線維質な胸の脂肪を吸引することで、胸の傷は乳輪下よりも目立たない乳頭下の約8mmの傷に抑えることができました。
三日月型の傷にも脂肪吸引の効果アリ。9cmの乳腺摘出の症例
乳腺が大きい症例ではベイザー脂肪吸引を併用しても乳頭下のしわ部分からアプローチできないことがあります。
その場合は乳輪下に三日月型の傷をつくり乳腺を除去します。
ただ、こちらも事前の脂肪吸引効果で、三日月の大きさを最小限に抑えることが可能です。
こちらがその症例のひとつ。
術前のエコー段階で両胸5cm以上の乳腺が確認されたため、乳輪下縁に三日月型の傷をつくり摘出する方法を選択しました。
実際に取り出してみると、右胸約7cm、左胸約9cmの乳腺。しかしベイザー脂肪吸引を併用したことで、乳腺の大きさにしては最小限と言える3.5cmの傷に抑えられました。
数字で見ると大きく感じるかもしれませんが、症例写真をご覧いただければわかる通り、ほとんど目立たない傷であることを理解いただけるかと思います。
また、ベイザー脂肪吸引を同時に行うことで乳腺周囲の脂肪をキレイに除去しているので、乳腺があった部分だけが凹むこともなく、自然な胸のラインに仕上がっていることもお分かりかと思います。
▽乳腺除去後の胸の凹みについてくわしくはこちら▽
「胸が凹む!? 保険診療と自由診療で違う女性化乳房の治療法」
女性化乳房治療は脂肪吸引術にも長けたドクター選びを
女性化乳房治療の多くのケースで、乳腺除去のほか、乳腺周辺にある脂肪を取るため同時にベイザー脂肪吸引も行います。
乳腺に近い硬い線維質の脂肪除去できるだけでなく、皮膚の引き締め効果などメリットが多くあるためです。
ただし、適切な操作を行わないと、残すべき脂肪も除去してしまうことがあります。
女性化乳房治療の際は脂肪吸引術にも長けたドクターを選ぶようにしましょう。
- 知恵まとめ
-
- 乳腺の大きさにより切開する位置が決まるが、いずれも目立たない箇所に設けられる
- ベイザー脂肪吸引を併用すれば、乳腺切除の傷が最小限に
- 乳腺切除のほか脂肪吸引でも治療するため、ドクター選びは慎重に!